分析と見解

ロケーションスコア:CPOの成否を予測する数字

Chargalytics著 · June 16, 2026

充電ビジネスでは、ロケーションは単に重要な要素ではない。勝負のすべてだ。いい場所に置かれた充電器は稼ぐ。悪い場所に置かれた同じハードウェアは赤字を垂れ流す。

この経済性については、ディープダイブ記事CPOが収益化するには何が必要か?で掘り下げた。そして結論は明快だった。CPOの価値を左右する最大の要因は、ポートフォリオ内のロケーションの質だ。CAPEXは最適化できる。価格は調整できる。オペレーションは改善できる。だが、悪い立地はいつまでたっても悪い立地のままだ。

だから私たちはロケーションスコアリングモデルを作った。そこから見えてきたのがこれだ。


ロケーションをどうスコア化しているか

私たちのデータベースにある全stationは、過去数百万件の充電セッションで学習した機械学習モデルによってスコア化されている。このモデルは、交通量への近接性、人口密度、道路接続性、周辺アメニティ、競合密度を評価し、最終的に1つの数字を出力する。location scoreだ。

このスコアは、stationがどれだけの充電需要を引きつけるはずかを推定する当社のPulse需要モデルに組み込まれている。

Pulseの計算式

Base demand × Location score × CPO execution score = Estimated location demand

変数は3つ。それぞれ役割が違う。Base demandは、その国のEV普及密度と充電パターンを反映する。Location scoreは、サイトの質を捉える。交通量、視認性、アクセス性だ。Execution scoreは、その市場の同業他社と比べてCPOの運営がどれだけ優れているかを測る。uptime、価格設定、UX、アプリ品質、ナビでの表示性が対象だ。

これは勘ではない。このモデルは、私たちがセッションレベルの完全なデータを持つ市場における、実際の充電利用データ数百万件で学習している。そのうえで、学習したパターンを使って、私たちがカバーするすべての市場のstationをスコア化している。


市場ごとにスコアが違う理由

location scoreは、世界共通のスケールを使っている。1.8を取るstationは、オランダでもノルウェーでも同じ需要ポテンシャルを意味する。だが、1.8を取るロケーションはノルウェーよりオランダのほうがずっと多い。高密度で、接続性が高く、アメニティが豊富な立地は、コンパクトで都市化された市場のほうが単純に多いからだ。

だから国ごとの平均値には大きな差が出る。モデルが市場ごとに違う扱いをしているわけではない。地理条件とインフラ密度そのものが、異なるスコア分布を生み出しているのだ。実務的に有用なのは、市場でオペレーター同士を比較すること、あるいはインフラ整備が進むにつれて市場平均が時間とともにどう変化するかを追うことだ。一方、execution scoreの仕組みは違う。これは各市場の競合に対する相対評価だ。1.0を上回るスコアは、そのオペレーターが地元の競合を上回っていることを意味する。これなら、小規模市場でしっかり運営しているCPOも正当に評価できる。

国別の平均DC location score

以下は、私たちがカバーする各市場におけるDC fast charging stationの平均location scoreだ。トップはUKの2.10。人口密度の高さ、高速道路回廊への需要集中、そしてサービスエリアの厚いカバレッジが効いている。対照的に、Nordicsと東南欧は下位に位置する。人口密度が低く、需要中心地の間隔が長いことを反映している。

この開きは重要だ。UKの2.10は、Croatiaの1.13のほぼ2倍。同じモデル、同じ手法でも、市場の現実はこれだけ違う。


Teslaのロケーション戦略を検証する

TeslaはSuperchargerネットワークを、長距離移動を可能にするという1つの目的で構築した。だから選ばれたのは戦略的な高速道路立地だった。Autobahnのサービスエリア、motorwayの休憩施設、主要回廊上の目的地。都市部のstationはその後に増えていった。

この戦略はデータにはっきり表れている。私たちは12市場で、Teslaの平均DC location scoreをDC市場平均と比較した。

中欧・西欧では、Teslaのサイト選定はしっかり効いている。Germany(2.03 vs 1.88)、France(1.86 vs 1.50)、Czechia(2.12 vs 1.78)では、いずれもTeslaがDC市場平均を上回った。Autobahnの休憩施設、商業リテールパーク、高交通量の高速道路ジャンクションが高く評価される市場であり、まさにTeslaが狙ってきた立地だ。

Nordicsでは様子が違う。Norway(1.13 vs 1.19)、Sweden(1.27 vs 1.34)、Finland(1.30 vs 1.35)では、TeslaはDC市場平均を下回る。初期のSupercharger戦略は、長距離移動を成立させるために、都市間の遠隔な高速道路回廊を優先した。つまり、交通密度が低く、周辺アメニティも乏しい場所だ。Nordicsでは、それがフィヨルド沿いの休憩地点や山岳峠になる。都市部や郊外のハブに注力した競合のほうがスコアは高い。理由は単純で、そうした立地のほうがモデルの見る要素――交通、人、サービス――を多く備えているからだ。

TeslaのNorway内ポートフォリオのばらつきが、そのことをよく物語っている。最高スコアはØstfoldのFredrikstad Supercharger(3.45)。スウェーデン国境近くのE6沿いにある人口80 000の都市で、周囲にはリテールとサービスが集まる。最低スコアはVestlandのAurland Supercharger(0.15)。Flåmへ向かう道沿いの遠隔フィヨルド集落で、人口は900。近くにあるのは山とトンネルくらいだ。同じ構図はUSでも見られる。コロラド州東部の農村地帯にあるTeslaのKit Carson Superchargerは0.22。US-40沿いの人口200の小さな町で、見渡す限り平原しかない。アラスカのTrapper Creek Superchargerは0.23。AnchorageとDenaliの間にある高速道路の立ち寄り地点で、町らしい町はない。こうしたstationは高稼働率を狙うためではなく、ルートネットワークの空白を埋めるために存在している。
要点

交通量が少なく、アメニティも乏しい回廊立地を、収益性の高い充電ロケーションに変えるのは難しい。どれだけ運営がうまくても、それは変わらない。高密度で接続性の高いエリアのスコアが高いのは、需要がそこにあるからだ。そして、経済性が成り立つのもそこだ。モデルは、すでにバランスシートが示していることを裏づけている。


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